一覧に戻る文学・評論海と真珠深い藍黒の闇に、ピンクのチュチュをまとった二人の少女が浮かぶ。淡くにじむ星々と細い三日月、つま先立ちで宙にたたずむ姿は、夢と現実の境にいるような静けさを帯びる。タイトルは控えめな白と、ほのかな桃色で添えられ、夜の海の底から立ちのぼる光の粒のように見える。水彩のにじみが画面の暗さをやわらげ、少女たちの孤独と、ささやかな煌めきを同時に抱え込んでいる。物語の手触りを、夜と踊りの間に置いた一冊。About出版社角川春樹事務所出版年2012年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁五十嵐徹(芦澤泰偉事務所)装画中島梨絵