
旅と酒、人との出会いを軽妙に綴る著者のエッセイ集。日常の延長にある小さな冒険や昔の旅の記憶、極悪ピロリ菌との攻防まで、笑いと諦観の混じった筆致が並ぶ。表紙は鮮やかな山吹色を地に、人物たちの小さな線画と手書き風の吹き出しを散らし、ノートの落書きのような親密さを醸す。題字は黒の明朝体を不揃いに大きく組み、視線を一筆ずつ拾わせる。下段には水色の帯に紫の手書き文字で「鳥は空を翔び 山の上で大の字たあ」と踊り、本文の軽やかな歩みを表紙そのものが先取りしている。
著荻原浩
装丁鈴木久美
装画木内達朗
集英社 / 2018年
文学・評論