
いじめられっ子の中学生と読み書きの苦手な不良が、ひとつの長編小説を書き上げるまでを描く青春小説。水色の空を背に、二人の少年がしゃがみ込み、足元には『道化の華』『外套』など古今の名作が崩した紙の山に半ば埋もれている。線の通ったイラストレーションと手書き風の太い和文タイトル、白い紙片が舞う構図が、物語を読み・書くことへ向かう不器用なエネルギーを画面いっぱいに立ち上げる。装丁は、文学への入口に立つ初心を、軽やかな青と紙の白で祝福している。

著梶よう子
装丁泉沢光雄
装画立原圭子
集英社 / 2022年
文学・評論