文学・評論
猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数
北山猛邦
不可能犯罪に挑む青年探偵を描く、本格ミステリの一篇。事件の不可解さと、その背後に流れる若い登場人物たちの感情の機微が、静かに編み合わされていく。表紙には、線描で描かれた三人の人物——中央に微笑む少女、左右にノートを手にした青年——が、薔薇や雛菊、紅葉、ステンドグラスめいた幾何模様に取り囲まれて立つ。タイトルは朱色の筆致で大きく、副題は黒の細い活字で控えめに添えられ、華やかな図像の奥にひそむ不穏さを際立たせる。鮮やかさのなかに残る、わずかな翳り。