文学・評論
さよならの向う側 Time To Say Goodbye
清水晴木
最期の一日、もう一度だけ会いたい誰かと過ごせるとしたら——そんな問いから始まる、生と死のあわいを描いた連作短編。カバーは橙とクリームの光に満ちた階段状の空間に、白髪をなびかせる人物と見上げる若者が向かい合う場面を水彩調で描き出す。舞い散る無数の紙片、斜めに走る光線、奥に灯る赤い花影が、別れの瞬間に流れる柔らかな時間を可視化する。タイトルは縦組みの黒い筆文字で、英題はクラシカルなセリフ体。透明感のある暖色の重なりが、惜別の温度をそのまま紙面に閉じ込めている。