
四十代を迎えた女性が、人生の節目に故郷で星を見上げる連作短編集。星空観測や流星群をモチーフに、ままならない日々の中でかすかな希望を見出す物語が静かに編まれている。深い藍と紺に満ちた星空を全面に敷き、三日月のような光の中に佇む人影とフクロウらしき影が小さく描かれる。白の細い手描き文字で記されたタイトルは流星の軌跡のように画面を斜めに横切り、夜空の奥行きを際立たせる。鮮やかな黄色の帯が地上の灯りのように下段を支え、暗闇と希望の対比そのものを装丁に閉じ込めている。
著高山一実
装丁川名潤
装画たえ
KADOKAWA / 2018年
文学・評論