文学・評論
怪異の掃除人・曽根崎慎司の事件ファイル 生ける炎は誰が身を喰らうか
長埜恵
正体不明のオカルト事件に挑む三十路の男と、人懐こい青年。怪異の「掃除人」を名乗る曽根崎慎司を主人公に据えたホラーサスペンスの一篇である。カバーは黒を基調に、薄暗い室内で並び立つ二人の人物をイラストで描く。窓辺から差し込む赤い枝影と、背景に薄く重ねられた英文・和文のテクスチャが不穏な気配を立ち上げ、白とイエローで抜かれたタイトルが闇に鋭く浮かび上がる。冷えた色面と熱を帯びた赤の対比が、ページの内で揺らぐ炎の予感を静かに告げている。