文学・評論
室町お伽草紙:青春!信長・謙信・信玄 卍ともえ 山田風太郎傑作選 室町篇
山田風太郎
信長・謙信・信玄ら戦国の梟雄たちが、まだ若き日々を駆け抜けた室町末期。歴史の奇想を得意とした作家の傑作短篇を集めた一冊で、史実の隙間に潜む青春群像を奔放な筆致で描き出す。表紙は、薄紅のヴェールを被った女性の半身像を背景の深紅に溶け込ませた淡彩画。金の唐草と耳飾りが装束の朱を引き締め、白の明朝で抜かれた縦組みの題字が画面右に静かに刺さる。妖しさと初々しさが同居する佇まいが、青春という言葉に時代の翳りを添えている。