
作家デビュー20周年を機に編まれた、自選/再編集による集大成的アンソロジー。28の過去作を「DJのミックス」という発想で繋ぎ直し、一冊の長い作品として読み通せるよう構築された、文学的セルフ・リミックスの試みである。上半分は黒地に粒子状の朱が散り、レコード盤の溝や夜の音響を思わせる抽象的な情景となり、そこへ細い欧文タイトルが小さく置かれる。下半分は白地に大ぶりの明朝で和文タイトルと著者名を据え、帯の鮮やかな朱と三角形の図形が画面を引き締める。黒と白、欧文と和文、静と動。再編という行為そのものを、表紙の二層構造が静かに体現している。

著似鳥鶏
装丁坂野公一+吉田友美
装画烏羽雨
河出書房新社 / 2017年
文学・評論