
第二次大戦下、ナチスが追い求めた聖遺物をめぐる歴史ミステリの下巻。原題「LE TRIOMPHE DES TÉNÈBRES(闇の勝利)」が示すとおり、暗部に光を当てる物語の決着を描く。表紙は油彩タッチの人物画で、中折れ帽をかぶった男が深紅と濃紺に二分された空を背に立ち、足元には頭蓋骨の山と崩れた石壁、宙には砕けた赤い石片が舞う。タイトルは白の角ゴシックで縦に大きく置かれ、絵画の劇性を引き締める。歴史の闇と救済の予感が一枚の構図に同居している。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論