
幕末、紀州藩から江戸へ単身赴任した下級武士・酒井伴四郎の日記をもとに、当時の江戸の食生活と庶民の楽しみを読み解く一冊。寿司や蕎麦、酒や貝の汁物まで、武士たちが何を口にしていたのかが生き生きと描き出される。表紙は太い枠線で囲んだ縦長の画面に、箸を口に運ぶ武士をやわらかな筆致で大きく据え、笹に載った握り寿司、徳利と猪口、蛤、蕎麦の重箱を周囲に散らす。墨と淡彩の軽やかな線描が古絵草紙のような風情を漂わせ、題字は太い筆書きで右に大きく置かれている。料理を前にほころぶ表情そのままに、肩肘張らない食の歴史書であることを伝える装いだ。
著西島大介
装丁小林剛
筑摩書房 / 2015年
コミック・ラノベ・BL