
エロマンガという表現を、性的興奮を生む「装置」として真正面から読み解く評論。1990年代以降の市場拡大とジャンル分化を踏まえ、漫画表現論として体系化を試みた一冊の増補版である。カバーは白地に細い水色の罫を引き、立って本を読む少女と床に座る少女をイエローとライムグリーンの二色だけで刷った漫画的イラストで構成。蛍光に近い黄の発色と限定色の禁欲が、官能の主題と批評の距離感を同時に示している。文庫の小さな判型に収まりながら、扱う領域の広さを軽やかに予告する装い。
著山本貴光、吉川浩満
装丁古屋郁美
装画花松あゆみ
筑摩書房 / 2020年
人文・思想