
コロナ禍の在宅勤務を機に三陸の港町へ「お試し移住」した男が、空き家と食、地元の人情に触れながら地域再生の物語に巻き込まれていく長編小説。カバーは、橙に染まる空と海に沈みゆく(あるいは昇る)太陽を版画調の平塗りで描き、橋の上から並んで景色を見る二人の小さな後ろ姿を据える。タイトル文字は手描き風の白抜きで、海面の光と呼応するように画面中央に置かれる。穏やかな色面と素朴な人物像が、移住と再出発という主題に静かな希望の余韻を添える。
著清水義範
装丁内山尚孝
装画平尾直子
講談社 / 2014年
文学・評論