
館に集う8人の探偵たちが、VR空間と現実を往き来しながら生死を賭けたゲームに挑む——〈竜泉家の一族〉シリーズに連なる王道の"館"ミステリ。表紙は淡いミントブルーが水中のように広がるなか、多面体の透明な結晶が静かに浮かぶ構図。その内側には椰子の木と桃色の小さな建物が閉じ込められ、世界ごとガラスケースに収められたかのよう。縦組みの白い和文タイトルに、英字の筆記体がそっと添えられる。甘く、しかし出口のない箱庭の手触りが、物語の閉鎖空間そのものを静かに予感させる。

著市川哲也
装丁西村弘美
装画まいまい堂
東京創元社 / 2023年
文学・評論