
古代の伝承を下敷きにした歴史伝奇小説。鉄を巡る権力と、不死という業を背負った者の物語が、荒々しい筆致で立ち上がる。漆黒の地に燃え上がる橙の炎が背景を覆い、その前にナイフを構えた少年が線画タッチで描かれる。「伝説の不死者」の太い明朝が縦に大きく配され、副題「鉄の王」は小さく寄り添う。著者名は水色の帯に白抜きで添えられ、炎の熱と刃の冷たさの間で均衡をとる。火と鉄、生と不死――相反する熱量を一枚で抱え込んだ表紙である。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論