
北海道・根室を舞台にした、極寒の地で生きる悪党たちの暴力と堕落を描く犯罪小説。著者が直木賞受賞作『少年と犬』に続いて世に問う、容赦のないノワール作品である。表紙は深い群青の夜空に淡く滲む月、降りしきる雪のなかで雪面に倒れ込むオレンジ色の防寒着の人物をリアルなタッチで描く。中央に大書された白い明朝の「雪月夜」と、右上に縦組みで配された著者名の赤、下部に走る「外道堕落小説」の朱赤の太ゴシックが、雪の青白さに鋭く突き刺さる。凍りつく闇と、そこに点る血のような赤。物語の冷酷さを、配色そのものが告げている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論