
祖母から孫娘まで、年齢も立場も異なる女性たちが「三千円」というささやかな金額の使い道を通して、自分の人生の設計図を描き直していく連作短編。お金との向き合い方が、そのまま生き方の選択として浮かび上がる。表紙は淡いピンクの地に、装飾的なティーカップとソーサー、無造作に重ねられた三枚の千円札を線画と限られた色面だけで構成。手描き感のあるラフな筆致と余白の取り方が、深刻になりすぎない軽やかさを生む。生活の中の小さな選択を、肩肘張らず見つめ直すための一冊として静かに差し出される佇まいである。

著楊双子、三浦裕子
装丁田中久子
装画Naffy+鄭培哲
中央公論新社 / 2025年
文学・評論