
チェーホフが20代に量産した短編・小品から、軽妙なユモレスカを精選した新訳シリーズの第一巻。郊外の一日に交わされる人々の会話や生活の機微を、抑えた筆致で写しとった作品集である。表紙は淡い緑を基調に、蔓を伝って遊ぶ少年少女と小鳥、点在する白い花や小さな教会を素朴な絵筆で描き、装画をゆったり配して余白を作る構成。題字は本文書体に近い明朝で控えめに据え、絵の柔らかさを邪魔しない。郊外の昼下がりの空気感を、画と組版の静けさで伝える一冊。

著中央公論新社
装丁山影麻奈
装画北澤平祐
中央公論新社 / 2023年
文学・評論