
働く女性「マリコ」を主人公に、日々の小さな迷いや不安、希望をすくい取った連作短編集。「いつかむくわれるのかな」「がんばれば」という心の声と並走しながら、肩の力を抜いて読める一冊。表紙は鮮やかなレモンイエローを地に、水色の大きなタイプライターと三人の女性をフラットなイラストで描く。細い線と限られた配色、吹き出しに置かれた手書き風の独白が、軽やかなのにどこか切実な余白を生む。装丁の親しみやすさが、働く日常のささやかな葛藤を、笑って受け止める手つきへとそのまま接続している。
著森美樹
装丁新潮社装幀室
装画星野ちいこ
新潮社 / 2017年
文学・評論