
部活動を舞台に、揉めごとを起こさずチームを動かすための関係づくりを描く一冊。フェンス越しの木漏れ日が差すコート、ボールを抱えてしゃがみ込む制服姿の少年、傍らに転がるカラーコードとバスケットボール——青と緑を基調に、淡くにじむような透明感のある水彩タッチが、放課後の湿度と少年期特有の張り詰めた空気を同時に閉じ込める。タイトル「神様」の文字は黄緑のアウトラインで光のように浮かび、副題は縦組みの白抜き短冊で静かに添えられる。揺らぐ光と硬い金網の対比が、青春という不安定なゲームの輪郭をやわらかく描き出している。
著武田砂鉄
装丁古屋郁美
集英社 / 2021年
社会・政治