
正義・愛・自由といった大きな主題を、日常の判断という地平に引き戻して問い直す倫理学の入門書。淡いクリーム色の地に、水色の枠で縁取られた窓の絵が手描きで配される。窓の向こうには雲の浮かぶ空と海、灯台らしき影、手前のガラス瓶には一輪のチューリップ。線は揺らぎを残し、彩色も透明水彩のように軽い。重厚な思想書の佇まいではなく、机辺の風景に置き直されたような親しみが、ふだんの生活に倫理を引き寄せようとする本書の姿勢と静かに重なる。
装丁佐藤直樹+遠藤幸+アジール
カバー写真ただ+ゆかい
アジール / 2017年