
フロリダを舞台に、太陽と死、日常と危険が隣り合う11の短篇を収めた一冊。生と自然の境目で揺れる人物たちを、静かな言葉で描き出す。表紙には、水面に半身を浸して横たわる女性と、湿地に生い茂る木々、そして背後から覗き込む巨大なワニが繊細な線画と淡い緑のトーンで描かれ、穏やかさと不穏さが同じ平面に同居する。原題「FLORIDA」と邦題の縦組みが余白を保って配され、帯の深い緑が画面の湿度を引き締めている。物語の手触りそのものを写し取ったような装画である。
著エブリスタ
装丁BALCOLONY.
装画雪下まゆ
河出書房新社 / 2021年
絵本・児童書