一覧に戻る文学・評論私という名の変奏曲連城三紀彦一人の女性の死をめぐり、複数の語り手が同じ出来事を異なる声で語り直していくミステリ。「変奏」の名のとおり、ひとつの像が幾通りにも揺らぐ構造が物語を貫いている。表紙には横顔の女性と、胸元から咲き乱れる花々が一枚に重ねられ、画面はわずかにずれた水平の帯で断たれている。輪郭が幾度もずらされることで像はひとつに定まらず、緑灰の地に複数の姿が同時に浮かんで見える。一人称が幾重にもほどけていく感触が、そのまま意匠となっている。About出版社河出書房新社出版年2021年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画Q-TAAmazonで見る