
深夜のラジオ局を舞台に、現役アナウンサーの著者が局で働く人々の奮闘と、電波越しに届く小さな奇跡を描く文芸文庫の第二弾。表紙はマイクとヘッドホンを構える若い男性アナウンサーを中心に、ひまわりや夏服の少女、傘をさす人物などラジオから立ち上がる情景をコラージュ風に重ねたイラスト。縦組みの白抜きタイトルを黒帯に乗せ、点線の星や雨粒の意匠が深夜放送の浮遊感を添える。赤い帯の「優しい奇跡が訪れる。」が、画面全体に流れる夏の手触りを一語で受け止めている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論