
自分とは何か」を思索する短編とエッセイを束ねた一冊。年齢、結婚、ファッション、女ともだち——揺れながら日々をやり過ごす女性たちの姿が、抑えた筆致で綴られる。クリーム色の地に小さな青と黄の花が散る表紙の中央には、装飾的な額に収められた退色気味のポートレイトが置かれ、そこへ押し花のような青と黄のコラージュが重ねられている。古い写真と現在の花を同じ画面に同居させる構成が、過去と今のあいだで揺らぐ自分という主題を静かに照らし出している。
著古川日出男
装丁佐々木暁
装画松本大洋
河出書房新社 / 2024年
文学・評論