一覧に戻る文学・評論黒と愛飛鳥部勝則奇妙に傾く〈奇傾城〉の幽霊部屋で、男が密室状況のまま首を切断される。心霊特番で城を訪れた“探偵”亜久と、全身黒服の女子高生・黒が、血と内臓と腐肉を主題にした絵画に囲まれ、幽霊の呪いを思わせる惨劇へ踏み込んでいく。怖さと切なさが交錯する、純愛と本格ミステリの異様な結合。黒、白、鈍い金を切り分けた画面に少女の肖像と巨大な題字を衝突させるカバーは、愛の甘美さと狂気の不穏さを同居させ、物語の現実感が崩れていく感覚まで視覚的に先取りしている。About出版社早川書房出版年2026年判型文庫(528ページ)ジャンル文学・評論Credits装丁大原由衣装画笹井一個