
男女ふたりの歌人による相聞短歌の往復書簡。互いの言葉を受け、また返すという連歌的な営みが、恋愛のはじまりに似た緊張と高揚をはらんで進んでいく。表紙は淡い水色を背景に、白髪のように見える髪をした二人の人物が向かい合う水彩タッチのイラスト。輪郭は柔らかくにじみ、レモンイエローの衣服とピンクの小さなドリンクがアクセントになる。タイトルと著者名は明朝で縦に控えめに配され、視線を交わす二人の間にちょうど割り込む。言葉のキャッチボールそのものを、軽やかな色面が静かに描き出している。

著荒内佑
装丁柳智之
筑摩書房 / 2020年
文学・評論