
編集者の娘が持ち込む本や日常の小さな謎を、コタツに収まる父が解きほぐしていく連作短編集。淡い水色の地に、少しずつ位置をずらしながら組まれた手書き風の太いタイトル文字。中央には格子模様のコタツがあしらわれ、その上で白猫が丸くなって眠る。両脇には買い物帰りの娘と緑のチェックシャツの父らしき人物のラフな線画が配され、下方の黄色い帯には大ぶりな「?」が散る。空気を含んだ色面とゆるやかな筆致が、机を囲んで言葉をやりとりする一冊の親密な時間を、軽やかに映し出している。
著林真理子
装丁関口信介
装画千海博美
文藝春秋 / 2017年
文学・評論