
ムーミンの生みの親であり、画家・小説家としても活躍したトーベ・ヤンソンの評伝。日記や手紙、草稿を手がかりに、ひとりの芸術家の仕事と愛と遊びを丹念にたどる一冊である。カバーは、ムーミンの人形を抱える本人のモノクロ写真を中央に据え、その周囲を手描きの蔓のような淡いピンクの枠線が囲う。白地に同色で組まれた縦書きのタイトル、署名めいた赤の欧文ロゴ、淡いミントグリーンの帯が加わり、写真の静けさとイラストの軽やかさが穏やかに響き合う。被写体の眼差しと装画の手仕事感が、本書の私的な肌触りをそのまま予感させる。

著平野紗季子
装丁大島依提亜
装画Alexis Ralaivao
新潮社 / 2024年
暮らし・健康・子育て