
暮しの手帖』に寄せられた読者からの随筆を編んだ一冊。食卓の記憶や日々の手しごとを通して、「美味しい」と「懐かしい」がいかに地続きであるかを静かに描き出すシリーズの第4集にあたる。鮮やかなレモンイエローを地に、黒と白の細い線で描かれた魚たちが整然と並ぶ。大小さまざまな魚は腹に網目や縞、点の模様をたたえ、まるで干物棚や市場の風景を見ているような可愛らしさがある。賑やかな食の記憶と、図案化された素朴な魚影が、書名の二語をやわらかく支えている。

著平野紗季子
装丁大島依提亜
装画Alexis Ralaivao
新潮社 / 2024年
暮らし・健康・子育て