
教育とは何か、成熟とはどのような過程なのか。著者が長年問い続けてきた主題を、「成熟=複雑化」という補助線で捉え直す思索の書。淡いブルーグレーの地に、黄色い柱と木の棒、ロープで吊られたピンクの円盤、ターコイズの曲面パーツが軽やかな線画で描かれる。互いに支え合いながら均衡を保つ簡素な構造体は、要素同士が関係を結び絡まり合うことそのものが「複雑化」であると静かに示唆する。縦書き明朝のタイトルと、下部を受け止める黄色い帯が、思索の骨格を支えている。
装丁寄藤文平+鈴木千佳子+文平銀座
寄藤文平 / 2012年
人文・思想