
家族や子育てを題材にした長編小説。鮮やかな黄色を地に、青いエプロンを纏った大人の上半身を画面いっぱいに据え、その布の上で小さな子どもたちが駆け、踊り、両手を上げる。象やパンダ、汽車と並木を縫い付けたようなポケット、両脇に並ぶ親と子、画面下から差し出される二つの手のひら。絵本のようなフラットな筆致と平面構図が、抱える者の身体そのものが遊び場になっていく感覚を立ち上げる。「戦う」という強い語が、柔らかな色彩越しに静かに残る。
著古野まほろ
装丁鈴木亨
装画こちも
KADOKAWA / 2016年
文学・評論