
刑務所で受刑者の食事を作る栄養士による、塀の中の厨房ルポルタージュ。コロッケが爆ぜ、鍋から火柱が上がる調理場の混沌と、それでも日々三度のメシを整える現場の手つきが、ユーモアとともに綴られる。表紙は淡いグリーンを地に、看守や白衣の調理担当が動きまわる厨房の俯瞰イラストを敷き、中央には太いゴシック体の「ムショラン三ツ星」を縦組みで大きく配置。右下には黄色い帯が回り込み、赤と黒の見出し文字が新聞広告のような熱量で並ぶ。手描きの線と硬質な書体のぶつかり合いが、笑いと真面目さの同居するこの本の体温をそのまま伝える。

著華南みさき HaccaWorks*
装丁團夢見
装画Hacca Works*
朝日新聞出版 / 2014年
文学・評論