
母を慕う刑事と、その周囲で起きる事件を軽妙に描く連作短編集。三人の登場人物が並び立つ室内の場面が、柔らかな線と淡い陰影のイラストで描かれている。背景には鳥や蝶を収めた額装、吊り下げ花のランプ、薔薇柄の壁紙が配され、赤を基調とした華やかな調度がコミカルな空気を醸し出す。タイトルは黒の角丸ブロックに白抜きで置かれ、欧文ローマ字が小さく添えられて軽さを補強。著者名は朱色の縦書きで力強く左に立ち上がり、絵物語のような装画と推理小説の骨格を穏やかに繋いでいる。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論