
一人の人を愛するという前提を一度ほどき、複数の相手と同時に親密な関係を結ぶ「ポリアモリー」の実践者たちに聞き書きを重ねたノンフィクション。制度や倫理ではなく、日々の生活に立ち上がる戸惑いや合意形成のリアルが綴られる。カバーは淡い黄色を基調に、髪型も向きも異なる複数の人物がフラットな線画で重なり合うイラストレーション。中央に置かれた円形の白抜きスペースにタイトルが収まり、群像のなかから一つの問いが浮かび上がる構図になっている。輪郭の柔らかさが、答えのない関係性の手触りに通じている。
著戌井昭人
装丁池田進吾+千葉優花子
新潮社 / 2020年
文学・評論