一覧に戻る文学・評論さのよいよい戌井昭人夜の街にそびえる塔から、橙色の炎が竜巻となって立ち昇る。放射状に伸びる赤い線が街を貫き、見たくなかったものを照らし出すかのようだ。三十二年前の放火殺人事件から着想された「炎上」の物語は、家族に巣食う秘密や不甲斐なさを一気に炙り出していく。手書きの題字と、帯に散る朱い火の玉。静かな夜景と燃え盛る一本の柱の対比が、抑え難い感情が噴き上がる瞬間を捉えている。About出版社新潮社出版年2020年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁池田進吾(next door design)+千葉優花子(next door design)Amazonで見る