
人間とは何か、生きる意味はどこから生まれるのか——進化生物学の視点から哲学の根源的な問いに応答を試みる一冊。生成りの地に、チューリップや葡萄、玉ねぎ、葉と蔓が絡み合い、横顔のシルエットを形づくる細密な博物画風の装画が据えられている。その輪郭の内側で、サルが脱力したように身を委ねる構図が印象的だ。縦組みの和文タイトルと、側面に配された英文の小ぶりな書体が、自然史の図譜を思わせる静かな佇まいに学術書としての品格を添えている。思考と生命の連なりを、一枚の絵に静かに封じ込めた装いだ。

著恩田陸、阿部智里、宇佐美、まこと、彩藤、アザミ、ほか
装丁鈴木久美
装画くまおり純
新潮社 / 2021年
文学・評論