
古書と鉱物を扱い、喫茶の機能も備えた神保町の小さな店。紫水晶、石榴石、電気石、金剛石に導かれた迷える客たちが、不思議な店主たちとの時間を通じて進むべき道を見いだす短編連作。楕円の窓のようなフレームに二人の店主と書棚を収め、画面の四隅へ巨大な原石を配した装画は、この場所へ迷い込む高揚を一目で伝える。深い緑の地に珊瑚色と紫を響かせ、白い輝きと切り絵めいた題字を散らす構成が、古書店の静けさと宝石の華やかさを心地よく両立させている。
著MiłoszewskiZygmunt、田口俊樹
装丁鈴木成一デザイン室
装画チカツタケオ
小学館 / 2019年
文学・評論