
コンラッドが船乗りマーロウの語りを通して、アフリカ植民地の奥地へと分け入る旅と、その果てで出会う人間の闇を描いた中編。文明と未開、正気と狂気の境界を river を遡りながら問い続ける古典である。カバーは深い闇に沈む密林を背景に、煙を上げる蒸気船が緑色に揺れる川面を進む構図。鋭い線で刻まれたシダや葉の陰影、黄色く滲む光の粒、船上に立つ小さな人影が、奥へ進むほど深まる未知を視覚化している。題字の白が、その闇の中心にぽつんと灯る。

著夕木春央
装丁小口翔平+畑中茜
装画影山徹
講談社 / 2022年
文学・評論