
空軍基地の変死事件や雪密室、不可能犯罪に挑むシリーズ第四弾の短編集。傷ついた誰かを救うために警察官になった「あたしたち」の視点が、いくつもの謎を縦糸として束ねていく。表紙は深い青を底に敷き、解体途上の大型機体が大きく傾いだ構図で描かれる。骨組みや剥がれた外板には絵画的な筆致が残り、廃機そのものが沈黙の塊のように立ち上がる。白い明朝の和文タイトルと細い欧文ロゴが重量感を静かに引き締め、語らないものから読み解くという作品の佇まいへ自然に接続している。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論