
時給800円で働く現場の悲喜こもごもを、軽妙な語り口で描く小説。低賃金労働の風景を、シニカルさと愛嬌の両方で照らし出す一冊。カバーは俯瞰のアイソメトリック構図で描かれたハンバーガー工場のような世界。縞模様の制服を着た小さな人々が、コンベアやパティの前で黙々と働く姿が、ポップな色面と均質なタッチで広がる。手書きの白文字タイトルが画面右上に大きく抜かれ、明るさの裏側にある反復と匿名性を、軽さのまま提示してみせる装丁になっている。
著北方謙三
装丁鈴木久美
装画寺田克也
集英社 / 2021年
文学・評論