
時給800円で働く現場の悲喜こもごもを、軽妙な語り口で描く小説。低賃金労働の風景を、シニカルさと愛嬌の両方で照らし出す一冊。カバーは俯瞰のアイソメトリック構図で描かれたハンバーガー工場のような世界。縞模様の制服を着た小さな人々が、コンベアやパティの前で黙々と働く姿が、ポップな色面と均質なタッチで広がる。手書きの白文字タイトルが画面右上に大きく抜かれ、明るさの裏側にある反復と匿名性を、軽さのまま提示してみせる装丁になっている。

著又吉直樹、堀本裕樹
装丁アルビレオ
装画曽根愛
カバー写真前康輔
集英社 / 2015年
文学・評論