
高校のビブリオバトル部を舞台にした連作短編集。本を介して語り合う部員たちの姿を描きながら、終末を予感させるタイトルが物語に不穏な陰影を落とす。カバーは赤く焼けた空を背に立つ二人の生徒を中央に据え、足元には散乱する本の山を配する。白く切り抜かれた明朝のタイトル文字と、燃え立つ朱と黒のグラデーション、振り返る少女と本を抱える少年の対比的なポーズが、青春の輪郭と滅びの気配を同じ画面に同居させている。読書というささやかな営みが、世界の終わりとどう響き合うのか――その問いを表紙が静かに先取りしている。
著千田理緒
装丁大岡喜直
装画有村佳奈
東京創元社 / 2020年
文学・評論