
門前薬局に勤める薬剤師が、処方せんと患者の様子から事件の影を見抜いていく連作ミステリ。白衣姿で内服薬の袋を手にした薬剤師を中央に据え、周囲には錠剤シート、瓶、カプセル、軟膏のチューブ、口紅らしき小物が浮遊するように配される。柔らかな線画と淡い彩色で人物を描き、タイトルは深い藍の明朝で縦に大きく流し、帯はクラフト紙調の地に手書き風の太字と虫眼鏡をあしらう。薬の小道具と探偵のモチーフを同じ画面に並べる構成が、薬局という日常から推理が立ち上がる物語の質感をそのまま伝えている。
著岩倉文也
装丁川谷デザイン+紺野慎一+三本絵理
装画浅野いにお
講談社 / 2023年
文学・評論