
本格ミステリ作家クラブが選ぶ、年度を代表する短編五作を収めたアンソロジーシリーズの第四巻。岡崎琢磨、阿津川辰海、大山誠一郎、白井智之、松尾由美らの作品を文庫一冊で読み通せる。鮮やかなオレンジを背景に、こちらを見据える黒猫のシルエットが大きく立ち上がり、その足元には地図や万年筆、こぼれたインクといった謎解きの小道具が緻密なイラストで配されている。タイトル文字は白の角張ったゴシックで猫の輪郭にかかるように積まれ、静止した一場面に潜む不穏と知的遊戯の気配を、装画と書体の対比で端正に提示している。

装丁岡本歌織
装画原倫子
マガジンハウス / 2024年
文学・評論