
深い青の地に立つ少女の横顔。胸に黄色い本を抱え、編み込まれた髪が背に長く流れる。彼女のまとう白いワンピースのスカートには、もうひとつの世界が描き込まれている──赤土の広場で遊ぶ子どもたち、木立に囲まれた小さな家、川辺で語り合う人々、裾に並ぶ三角屋根。記憶や故郷が衣のうちに織り込まれているかのようだ。周囲には蝶と星が散り、タイトル文字は白く控えめに縦に置かれる。アフリカ系アメリカ人の詩人が自らの少女時代を綴った自伝的物語を、装画は一着の服として静かに表している。

著野村友里
装丁岡崎由佳
小学館 / 2023年
暮らし・健康・子育て