
長崎・五島列島を舞台にした、隠れキリシタンの伝承と黙示録のモチーフが交錯するミステリ連作。セーラー服姿の少女探偵たちが、閉ざされた島の儀礼と連続殺人に立ち向かう。淡い桜色の地に黒いセーラー服の三人を縦に配し、刀を構えた一人を中央に据えた構図はマンガ的な筆致で躍動感を生む。本文タイトルは縦書きの明朝、副題と欧文ローマ字が静かに添えられ、画面全体は華やぎと不穏さを同居させる。可憐さと終末の予感が一枚の絵に畳み込まれている。

著市川哲也
装丁西村弘美
装画まいまい堂
東京創元社 / 2023年
文学・評論