
ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、夢遊病者の失踪と霊能者の謎を追う探偵ジェスパーソン&レーンシリーズの長編、その下巻。霊媒や心霊現象が社会を賑わせた時代の空気を背景に、奇妙な事件の核心へと迫っていく。深い黒地に金の枠装飾を施した鏡のような楕円の中に、ヴェールつきの帽子と黒のドレスを纏う女性を据えた表紙。足元には街並みのシルエットと薔薇、市松の床、揺らぐ蝋燭の灯が配され、黄色く抜かれた和文タイトルが闇に浮かぶ。怪奇とエレガンスが同居する一冊。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論