
戦後ヒロシマを舞台に、フランス人女性と日本人男性の短い情事を通して、記憶と忘却、愛と歴史の不可能性を問うた映画脚本/対話篇。カバーは映画の一場面と思われるモノクロ写真を大きく配し、男の頬に身を寄せる女性、伏せたまつげと結ばれた指先が画面を占める。タイトルは縦組みの白抜き短冊として右側に静かに重ねられ、左端には欧文タイトルが細い明朝で縦に流れる。銀灰のトーンと余白の白が、抱擁の親密さと、その背後に横たわる遠い破局の気配を同時に湛えている。

著DickeyColin、熊井ひろ美
装丁岡本洋平
装画阿部結
国書刊行会 / 2021年
歴史・地理