
リペア」と「ペア」――再び組み直すことをめぐる物語。手放されたもの、ほどけてしまった関係に、もう一度向き合う人々の姿を静かに描き出す。表紙は工房の一隅、机に向かう一人の後ろ姿。青と紫を基調とした薄暗い室内に、窓から差す柔らかな光と吊るされた工具、整然と並ぶ引き出しの細部までが丁寧に描き込まれる。中央には白い筆記体のタイトルが、淡い灯火のようににじむ。直すという行為の集中と、組み直すことの静かな手触りを、表紙そのものが宿している。

著垣谷美雨
装丁鈴木久美
装画しらこ
中央公論新社 / 2022年
文学・評論