
アイドルを推す女性たちを描いた群像小説。ステージを見上げる客席のざわめき、振られるペンライト、思い思いの服装で熱気のなかに立つ人々──表紙はその光景を淡い水色を基調にした線画で覆い尽くす。中央では振り返って微笑む少女と、後ろ姿の女性が小さな猫を抱えて向き合い、群衆のなかでふと生まれた静かな交感を浮かび上がらせている。タイトル文字は黒の手描き風で、ひと粒の黄色い星が祈りのように添えられる。賑わいと孤独、その両方を同じ画面に同居させた装丁。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論